音楽・バレエ教室
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ストリングスアカデミー特別対談① 伊藤亮太郎&澤 和樹

2023年度に新設された昭和音楽大学附属ストリングスアカデミーは3年目を迎え、伊藤亮太郎アカデミー主任教授が中心となり、プロアマ問わず年齢不問の弦楽器の寺小屋として「音楽の本質」を求め、新たな試みに挑戦する。コース内容や講師陣も強化され、東京藝術大学学長であった澤和樹氏も参加。弦楽器の普及やクラシック音楽の更なる発展を目指す。

弦楽器を、音楽を、学んでみませんか?

伊藤 こんにちは。ヴァイオリニストの伊藤亮太郎です。今日は昭和音楽大学附属ストリングスアカデミーの特別対談ということで、2022年度まで東京藝術大学の学長を務めてこられ、昨年度から一緒にこのストリングスアカデミーで教えて頂いている澤和樹先生とお話を進めていきたいと思います。

 どうぞよろしくお願いします。

伊藤 僕も昨年度から教えさせて頂いてますが、澤先生は東京藝大で早期教育プロジェクトなど携わってこられましたが、昭和音楽大学の附属ストリングスアカデミーはどう思われますか?

澤 講師陣に伊藤亮太郎先生をはじめ一流の音楽家が並んでいます。ゼロから初めて楽器に触れる子どもたちにも、宗次イエローエンジェル基金がレッスンを1年無料サポート、大手楽器メーカーのヤマハさんの協力も得て、子ども用の楽器も無料で貸し出すとのことですし、弦楽器の未来を考えていると思います。いま、本当にクラシック音楽の道に進む方が減っているので、アマチュア含めこれだけ幅広く展開しているのは凄いことですね。何もヴァイオリンをはじめた段階でプロを目指すということでなくても弦楽器と出会い、素晴らしいクラシック音楽と出会うということを、このアカデミーをキッカケにその人の人生が潤うものになればと感じています。

伊藤 ありがとうございます。そうですね、今、澤先生に仰って頂いて、特に僕がオススメする「室内楽コース」は、我々プロで活動してる先生方とも一緒にアマチュアの方も演奏できたりレッスンを受けたり、非常に新しい試みなんじゃないかなと思います。

澤 そうですね。特に弦楽器をする人にとって、ソロで独りムシムシと練習することも重要ですけど、やはりアンサンブル、室内楽で友人たちと音楽を共有するという、その喜びがすごく大きいですし、今回それを弦楽器だけでなく弦楽器との室内楽を楽しんでみたいピアノの方も受講していただけるように、ピアノの蓼沼恵美子さんにも講師に加わって頂いています。そういったところでも、非常に間口を広げてますよね。

伊藤 二重奏ソナタは、ベートーヴェン、モーツァルト、ブラームス、シューマン、シューベルト、素晴らしいレパートリーがありますので、その辺りも一緒に勉強していけたらと思います。例えば、音大を卒業して、もう少しベートーヴェンの勉強したいなとか、もっとシューベルトを掘り下げてみたいなという方にも興味を持って頂けると嬉しいです。

オーディションは難しい?

伊藤 オーディションでは、楽器を弾くことも大事なんですけども、それ以上に音楽に対する情熱とか、そういったところも見ていきたいと思うんですが、どうでしょうか?

澤 いわゆる音楽大学に入るということであると、ある一定のレベルをクリアしないと無理だと思いますが、今回のアカデミーの場合は、受けてくださる方のそれぞれの目的にあった受け入れ方をしたい、という風に考えてますので音楽に対する情熱があれば、きっと、どんな方でも。ぜひ考えてみてください。

伊藤 講師の先生方、皆さんあらゆるところで活躍されてる素晴らしい方なので、楽器を習うということも大事だと思いますが、その先生方の人間性や音楽家としての人生に一緒に時間を共有できるという意味でも、素晴らしいアカデミーではないでしょうか。年齢もプロアマも関係ないということで、ぜひ考えてみてください。

レッスンの難易度は?

伊藤 レッスンに関しては、それぞれのレベルの方がいらっしゃいますし、コンクールを受けたい、コンクールで上位に入りたい、プロになりたい!という方には、ちゃんと厳しいレッスンをしていきたいと思います。音楽の楽しみ方は色々あると思いますので、 この作曲家について学びたいとか、室内楽でしたら音楽による対話というか自分が良いなと思っても、相手が自分の解釈を受け入れてくれるかどうかとか、そういうのは仲間と一緒に共有しないと身につかないと思いますので、そういうことも、ぜひ勉強して頂きたいと思います。澤先生はどんなレッスンをなさいますか?よろしければアイディアをお伺いできたら…。

澤 小さいお子さんを教えるのも私自身はすごく好きなんです。自分のことを小児科だと言っていますけど、その子たちのレベルに合わせた色々な発展の仕方があると思います。また、弦楽四重奏や二重奏のような室内楽の場合は、自分もその中に加わって一緒に演奏しながらコーチングしていくとか、いろんなパターンが考えられると思っています。

伊藤 そうですね。澤先生も澤クヮルテットを長年やってこられてますし…。

澤 33年ほど、やってきました。

伊藤 蓼沼先生とも二重奏でミュンヘン国際コンクール室内楽デュオ部門を獲得され、長年のコンビですよね。

澤 もうすぐ50年になろうかと(笑)

伊藤 素晴らしいキャリアですね。そういう音楽でのコミュニケーションもこのアカデミーならではですので、ぜひ学んで頂けたらと思います。

実は、師弟関係? 

伊藤 馴れ初めですか(笑)実は、僕は小学6年生から中学校卒業する4年間、澤先生に習っていました。本当に多感な時期というか、十二から十五歳ですよね。なのでとても良い時期を澤先生に師事したことで音楽家としての沢山のものを作って頂いたと思っています。僕は千葉出身ですけど、千葉の音楽愛好家の方が澤先生のことをよくお知りになっていて、先生が英国留学から帰ってらしたすぐ後で、素晴らしい先生がいるっていうのでご紹介頂きレッスンして頂いたのが最初です。

澤 懐かしいですね。

伊藤 澤先生は本当にお忙しかったんですけど、本当に中身の濃いレッスンをして頂いて、このストリングスアカデミーにも通じるかもしれないんですが、先生とデュオのコンサートを何回かさせて頂いたのがすごく思い出に残っています。モーツァルトのデュオ、ルクレールとかいろんな曲を4、5箇所で共演させて頂けて、僕はその後に江藤俊哉先生に習うんですけど、江藤先生もレッスン時にピアノを弾きながらレッスンしてくださいました。

澤 ピアノの名手だったそうですね。

伊藤 なのでやっぱり、一流の演奏家と一緒に演奏して、単にこうしなさいああしなさいというレッスンだけじゃなく、一緒に音楽の作り方というか、そういったものを小さい時から学べたことが、今思うとこのアカデミーのようなことを澤先生からして頂いてたんだなとすごく感謝しております。

ご応募される皆さまへ

伊藤 僕が携わらせて頂いてまだ2年目ですが、沢山の方に来て頂きたいですし、外国から素晴らしい招聘教授もお招きしたりと弦楽器の魅力を様々な形で発信できるアカデミーに育っていけたら嬉しいな、と思っております。音楽を愛する方、弦楽器を愛する方、もっと勉強してみたい!そんな方々にぜひご検討を頂ければと思います。

澤 皆さんそれぞれに持ってらっしゃる音楽への愛をですね、一緒に育んでまいりましょう。ぜひご応募ください。

取材  文 =昭和音楽大学ストリングスアカデミー運営室
写真提供=伊藤亮太郎、澤和樹

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