2023年度に新設された昭和音楽大学附属ストリングスアカデミーは3年目を迎えた。今年度からは、宗次イエローエンジェル基金の支援により、ゼロからヴァイオリンをはじめる子供たちに1年間のレッスン無料化が実現。そして、ヤマハ株式会社、株式会社ヤマハミュージックジャパンの協力により、子供用の分数ヴァイオリン等を無料で貸し出すサポートも強化された。特別対談の第2回は、ヴァイオリン基礎教育のスペシャリストである寺岡有希子講師、淵野日奈子講師に話を伺った。
特別コースでヴァイオリンを学んでみませんか?
淵野 こんにちは。ヴァイオリニストの淵野日奈子です。今日は特別対談ということで、同じくストリングスアカデミー講師の寺岡有希子先生と「特別コース」について主にお話しさせていただきたいと思います。
寺岡 よろしくお願いいたします。
淵野 「特別コース」は、ゼロからヴァイオリンをはじめられるお子さんやはじめたばかりのお子さんを対象に毎週指導させていただくコースになります。ヴァイオリンを触ったことがないお子さんでも大歓迎ですし、途中から入っていただくことも可能です。三歳から十歳くらいを中心に指導させていただいておりますが「特別コース」は、導入、初級、中級、上級の4つのクラスに分かれています。最初の導入クラスは本当に初めて楽器に触れるお子さんを対象としています。楽器の準備の仕方、片付け方、そして初めて「音楽」とも触れるお子さんですので、リズムだったり音符の名前だったり、ソルフェージュ(音感、リズム感などを養う音楽の基礎トレーニング)などの基本的なところから教えさせていただいています。また、集中力が持たないというお子さんもいらっしゃいますので、導入クラスは20分、弾けるようになってきて集中力が持つようになったら30分の初級クラスに上がっていくシステムになっています。いずれも個人レッスンですが、基本的に月3回、ご希望があれば月4回も可能としています。寺岡先生も導入クラスを教えてらっしゃると思いますが、最初はどのように楽器と仲良くなるように教えていますか?
寺岡 まずはヴァイオリンを持つことも知らないところから始まりますよね。楽器のケースを開けて、左手に楽器、右手に弓、というところから教えて、松脂(まつやに)を付けたり、とにかく楽器を扱えるようになることから教えています。あと楽器を大切にすることも教えていますね。