フルートの歴史と、20世紀におけるフルートの劇的な発展と演奏の可能性をもたらしたベーム式フルートの革命が歴史に与えた影響を、直接体験する。また、フルート音楽の発展をたどり、19世紀にベーム式フルートが発明されたことにより作曲家、演奏家、聴衆にもたらされた革新的な音響美学に焦点を当てることで、フルート の音響美学を再創造する。
カタリーナ・ベーム氏は歴史的演奏解釈(HIP)にも 力を入れている。ベームとベーム式フルートの革命に関する研究において最も重要な人物の一人である。
昭和音楽大学ピリオド音楽研究所 第30回公開講座「ベーム式フルートの革新と音楽の系譜 ~カタリーナ・ベーム氏を迎えて~」
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2026/02/13(金)時間:開講18:30 (開場18:00)場所:昭和音楽大学南校舎C103オーケストラスタジオ演奏会/公演
楽器フルートを革新し、大きな足跡を遺した19世紀の音楽家 テオバルト・ベーム

テオバルト・ベーム
Theobald Böhm (1794.4.9~1881.11.25)
ミュンヘン出身。父から貴金属の加工法を学ぶ。木製フルートを自作し、21歳で宮廷管弦楽団の首席フルート奏者に。1831年にロンドンでCh.ニコルソンの演奏を聴いたのがきっかけで、フルートの改良を本格的に着手する。50歳を過ぎてからミュンヘン大学で音響学を習い、1847年金属製フルートを開発して特許を取る。ロンドン、パリ万博で一般公開される。1871年“Die Flöte und das Flötenspiel”(フルートとフルート奏法)を出版。
作曲家としても60余りのフルート作品、教師としても100人を超える生徒を育てた。
講座内容
- ベーム式フルートとそれまでのフルートとの違い
- パリ音楽院での採用とフランスのフルート工房Louis Lotについて
- Th.ベームのフルート作品、エチュードについて
- ベーム式フルートの開発による影響(作曲家、演奏家、聴衆、音響美学等)
講師

講師・演奏
カタリーナ・ベーム=プロカイン(フルート)
ライプツィヒ交響楽団フルート奏者/テオバルト・ベームの子孫
ドイツ・バイエルン州で生まれ育ったカタリーナ・ベームは、フルート、サックス、ピアノの指導を受けて育った。ミュンヘン音楽大学でジュニア学生としてフルートの芸術的訓練を始めた後、ライプツィヒ音楽大学でイルメラ・ボスラー教授のもと、オーケストラ奏法および音楽教師としての研鑽を積んだ。 在学中より中央ドイツ放送交響楽団に任期採用され、2004年よりライプツィヒ交響楽団の首席フルート奏者を務めている。2022年には、テオバルト・ベーム国際 フルートコンクール審査員を務めた。 自身がテオバルト・ベーム直系の末裔であるため、ベームを中心としたフルートの歴史的背景の研究と紹介に尽力している。また古楽への傾倒から、トラヴェルソ課程も修了し、現代音楽と古楽のさまざまなアンサンブルと共演している。コンサートツアーでヨーロッパとラテンアメリカ、南アフリカと中国を訪れた。
講師・通訳
松崎 ゆり(フルート、音楽理論)
ドレスデン音楽大学 講師
東京藝術大学卒業後、DAAD、文化庁、STIBET博士プログラムより奨学金を得て渡独、ライプツィヒ音大修士及び国家演奏家資格課程をイルメラ・ボスラー教授のもとで修了。現在はドレスデン音大現代音楽科講師を務める他、グラーツ芸術大学とチューリッヒ芸術大学の共同博士課程にて、ダイナミック・ノーテーションの開発と、認知科学の観点から再解釈するブライアン・ファーニホウの音楽とベームフルートの表現力を研究している。これまでにカールスルーエ国際現代音楽コンクールなどにて最高位を受賞し、ガウデアムス国際現代音楽週間(オランダ)、キエフ現代音楽週間、パリ・イルカムManiFeste、ワルシャワ・ルトスワフスキ現代音楽祭、ヴィッテン現代室内楽音楽祭、ケルンACHT BRÜCKE、ダルムシュタット夏季現代音楽講習会、ドレスデン・ヘレラウ現代音楽週間などに出演。アンサンブル・モデルンのもと、インゴ・メッツマッハー、ケント・ナガノ、エミリオ・ポマリコなどと共演。Wergo よりCD 「Franz Martin Olbrisch „craquele“」が発売されるなど、参加録音多数。
演奏
ピアノ
未定
会場
お申込み
受講料
一般:1,500円 学生:1,000円(全自由席・消費税込)
※ 但し、小~高校生、本学学生・教職員は無料(要整理券)
主催
昭和音楽大学ピリオド音楽研究所
お問い合わせ
昭和音楽大学 チケットセンター
〒215-8558 神奈川県川崎市麻生区上麻生 1-11-1
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